漢方薬スペシャル・注目漢方!抑肝散-夜なのにアサイチ

夜なのにアサイチ 漢方スペシャ

2012/2/25、通常朝にやっているNHKのアサイチが漢方スペシャルということで
夜にも放送されましたね。

漢方薬って効きそうですが、なかなか利用方法が分からないのが現実です。
どういうものにどういう効果があるのか気になりますね。

色々な症例とともに漢方が紹介されたので、記載しておきます。

▼都内に住む白井道子さん(42)の場合

13年前に長女を出産してから激しい頭痛に悩み続けてきました。
頭が重いような状態になってきて、波打つように痛くなって、
放置してしまうとひどくなって吐き気まで行ってしまう状態でした。

あちこちの病院で診察を受けましたが原因は不明で鎮痛薬を処方されるばかり。

深刻な病気なのかもしれないと不安が募るばかりの時、友人から紹介された、
ある治療を試してみることにしたそうです。

それが漢方でした。

漢方を処方してくれる病院で診察を受けると、まず頭痛ダイアリーという
頭痛の症状と起きた時の状況、市販薬を飲んでしまった日づけなどを
ただ書き込むときの日記のようなものを渡され書くように指示されました。

これを3ヶ月ほど続けた結果、白井さんの頭痛にはある傾向があることが
分かったそうです。
それは必ず生理の時に頭痛が来ているということ。

出産後のホルモンバランスの変化が頭痛を引き起こしているかもしれないということで
医師はまず頭痛そのものではなくホルモンのバランスにいい影響を与える漢方と
気持ちを落ち着ける漢方である呉茱萸湯(ごしゅゆとう)と抑肝散(よくかんさん)を処方。

すると白井さんにみるみる変化が!

通常月に6回以上は飲んでいた頭痛薬の回数が飲み始めた月は2回に、
そしてその翌月には0回になったのです。
鎮痛薬を飲まなければ治まらなかった頭痛がウソのように消えていました。

こうして健康を取り戻した白井さんは新たなことに挑戦しようと
外へ働きに行くようになったそうです。


▼雑誌記者の藤吉雅春さん(43)の場合

藤吉さんは5年前、いつものように残業していると突然手のひらに
猛烈な痒みが走ったんだそうです。

驚いた藤吉さんは何とかやり過ごそうと近くにあった粘着テープで
手のひらをぐるぐる巻きに。
包丁で手首から切落したいと思ったほどだったそうです。
ところが、その痒みも朝になると何もなかったかのように消えていたので、
藤吉さんは何ごともなかったように、いつもの忙しい生活に戻ったそうです。

ところがしばらくすると藤吉さんにさらなる異変が!

突然手に激痛が走り、さらに手や足に痺れまで感じるようになりました。
そこでとうとう病院に駆け込んだのですが・・・。

医師から忙しいからじゃないか?、不規則な生活をしているからじゃないか?
などと言われますが藤吉さんは自分では心身ともに健康だと思っていたため納得できません。
しかし北里大学東洋医学総合研究所の漢方医・櫻井正智さんは、意外な薬を処方しました。
それは、神経的に落ち着く、精神のストレスを軽くする薬でした。
一般的にはしびれとは関係ない薬です。

処方されたのは桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)という漢方で、
不眠症神経症に効くといわれる漢方薬を半信半疑のまま飲み始めたそうです。

するとわずか2週間でしびれは半減し、その後も順調に回復。
この体験を機に藤吉さんは健康に対する考え方が180度変わったそうです。

手だけが痛いから手だけをどうにかするのではなくて、原因は別なところにも
あるわけだから、規則正しい生活・食生活・睡眠など全体を良くしなくてはと
思うようになったんだとか。


▼漢方のすごいところ!

西洋薬の場合、頭痛と下痢があった場合、
それぞれの症状にそれぞれの薬を処方しますが、
漢方の場合はそれぞれに薬は処方せず体全体のバランスを整えて、
まとめて症状を治してしまうんだそうです。
つまり、いわゆる体質を改善することが漢方の目的!

体質改善には年単位の時間が必要なこともありますが、
即効性のある漢方薬もあったり、検査で異常がない不定愁訴(特定の病気ではない
漠然とした体の不調の訴え)という考え方は漢方にはないので、
何か原因があるはずだというのが基本にあるので様々な症状に漢方を処方できるそうです。

たとえば頭痛と下痢が一度に来るような場合は五苓散(ごれいさん)という薬で
頭痛も下痢も改善するというのがよくあるんだそう。

また同じ頭痛でも白井さんの症状のような方が処方された呉茱萸湯(ごしゅゆとう)は、
どちらかというと冷えがある方の頭痛を改善していく漢方だそうです。

さらに熱がこもってのぼせているような頭痛には黄連解毒湯(おうれんげどくとう)という
漢方が熱さましのような効果で頭痛を改善したりと一口に頭痛といっても色々な
漢方の種類があるそうですよ。


▼小児医療にも漢方

小児科医の森 蘭子先生は20年以上診察を続ける中で、ある結論に達しました。
それは子供にこそ積極的に漢方を取り入れたいということ。
先生のところに2週間に1回は受診しに来ていて風邪を引きやすかったお子さんが
漢方を取り入れたところ、症状が改善し健康を取り戻しました。

取り入れた漢方は胃腸に働く漢方薬である柴胡桂枝湯(さいごけしとう)。
食欲が増せば虚弱体質が改善し風邪を引きにくくなるはず!
でも苦いのが難点なので、甘い水飴エキスと漢方薬を混ぜたところ
お菓子感覚で残さず食べてくれたんだそうです。

飲み始めても最初の1ヶ月くらいは風邪を引きやすいなという感覚があったそうですが、
3ヶ月すると、急激に良くなっていき風邪を全く引かなくなったそうです!

また別のお子さんは扁桃腺が腫れやすく高熱が出やすかったのですが、
柴胡清肝湯(さいごせいかんとう)という漢方を辛抱強く飲んだ結果、
2ヶ月もすると扁桃腺が形を変えながら小さくなったんだそうです。
そして熱も出なくなり風邪も引かなくなったそうですよ。

▼イライラ症状に抑肝散

元々、疳の虫に聞くとして開発された抑肝散ですが、最近の論文で
様々な神経症状にも効くということが分かり始めました。
そこで認知症患者の様々な症状にも効くのではということで使用したところ、
拒否行動やイライラ行動が治まったり、震えが治まったりといい効果が
現れているそうです。

漢方薬の副作用は?

漢方薬の副作用は西洋薬と比べても10万分の1などと起こりにくいと言われていますが、
きちんと医師に処方してもらって副作用チェックをすることが大切だそうです。

漢方医を調べたいときは?

下記のサイトに詳しく掲載されているそうなので、どうぞ。

QLife漢方
日本東洋医学会
漢方のお医者さん探し